6 検証~真実~
結論から言うと、義姉の本当の母親は私と兄の母でした。しかし、私の父と不倫をして兄を身ごもった母は、義姉を捨てて今の父と一緒になりました。
「じゃあ、俺たちは
兄は青ざめていました。思えば、戸籍の取り寄せなど結婚の手続きも何故か義姉が張り切って行っていたため、兄は実際に謄本を見ていなかったとのことでした。
「何で知っていて教えてくれなかったんだ!?」
兄は父と母を責めました。義姉は元より孤児で、家の近くの親戚に引き取られたとばかり私も兄も思っていました。
「母さんが好き合っている者同士、知らない方がいいこともあるって聞かなかったんだ」
私と兄は泣いている母を凝視しました。母は何も言いませんでした。
それから、物置にしまってあったひな人形は元々義姉のものだったのだそうです。全てを捨てたはずの母が、どうしても娘を感じられるものが欲しいということで持ってきたのだそうです。
そして、父は思いがけないことを告げました。
「そんなに女の子が欲しかったのか、と思って乳児院から女の赤ん坊をひとり、養子にもらったんだ。それがお前だ」
これには私も驚きました。兄も驚いたようでした。
私は両親の本当の子ではありませんでした。
「それじゃあ、私の本当の父母はどこにいるの……?」
「知らん。確か借金苦のろくでなしで育てられなくなったと聞いている」
途端に、この家がとてもおぞましいものに感じました。
不倫をして娘を捨てた母。
実の姉と知らずに結婚して子供を設けた兄。
それを全部知っていて黙っていた父。
そして、実は一切血の繋がりがない私。
「このたびは、私のしたことで申し訳ありませんでした」
「ひな人形を埋めた件か? 馬鹿馬鹿しい」
父(もう父ではありませんね)はひな人形と義姉(義姉でもありませんね、でもくどいのでもうやめます)の死について関連はないと思っているようでした。
「しかし、罪のない人形をバラバラにして埋めるなど正気の沙汰とは思えない。今後娘とも思いたくない。勝手に好きに暮らせ」
「わかりました。お世話になりました」
私は父の考えていることも、母の考えていることもわかりませんでした。何故なら、二人は自分の考えていることを話してくれないからです。
「今後、妹と思わなくていいよな? 血も繋がっていないし」
兄は私が義姉を呪い殺したと思っているようです。そう思われても仕方のないことを私はしました。私が二度とこの家に顔を出さないこと、それが償いになるのであればそうしたいと思います。
こうして、私はひな人形を埋めて死にはしませんが酷い目に合いました。呪いというのは実在するのでしょうか。それはわかりません。
最後に、荷物をまとめて家を出る直前に母が私に教えてくれたことをお知らせしてこの検証報告を終えようと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
これでいろいろ吹っ切れました。
あなたがこれを読んでいる頃、私はこの世にいないでしょう。
どうか、私がいたということだけ皆さん覚えておいてくださいね。
それでは、さようなら。
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