4#卵が破裂して雛まつり?
「縮んでるゴム風船だーーーー!!」
「ぷーーーーっ!!」「くくくく・・・」
「あーーーーっはははは!!」「ぎゃははははは!!」
カッコウが懸命に温めている卵・・・もとい萎んだゴム風船だと知った小鳥達は、腹を抱えて大爆笑した。
「カッコウ!!煩いわねぇ!!あんた達!!
お前達が卵産んだら、托卵してやるわよ!!」
カッコウのカクコは、失礼な小鳥達に激昂していると、突然温めていた卵がどんどん大きくなっていくのを感じて驚いた。
「遂に!!遂に!!卵が孵るわ!!苦労が実ったんだわ!!」
カッコウのカクコは、今まで卵を自ら温めて雛を孵すという努力が実ってとても興奮した。
「早く・・・早く産まれてないかなあ・・・
・・・って、この卵。巣をはみ出してどんどんどんどん大きく大きくなって膨らんでるんだけど?!
まさか・・・私の温めてたのは・・・ニワトリ?!ダチョウ?!それとも・・・怪鳥?!」
遂に卵?はカッコウの身体以上に大きく大きく膨らみ・・・
ぷすっ!!
「ぷすっ?」
ばぁーーーーーーーん!!!!
「カッコウぉぉーーーーー!!」
突然、大きく膨らんでいた卵・・・もといゴム風船は大きくなりすぎて、遂に鋭い木の枝に刺さって破裂してしまい、カッコウのカクコは仰天して巣から転落してしまった。
「だ、大丈夫?!カッコウさん!!」
小鳥達が転落したカッコウの側に降りてみると、そこには呆然として腰を抜かしているカッコウのカクコの姿があった。
「ビックリした?これ、卵じゃなくてゴム風船。
空から飛んできて、巣の中に降りてきたんだろうね。
私達が、そのゴム風船の吹き口に嘴突っ込んでふーふー膨らませたの。」
「カッコウさんが卵だと思ってゴム風船抱いてたから、ドッキリかまそうとしたらまさか割れちゃうとは思わかたったわ。ごめんねー。」
「大丈夫。気にしないで。
ああ、やっぱり私は托卵のカッコウね。
卵と勘違いして風船を抱いて膨らんで割れるとか、罰が当たったのよ。
『雛まつり』に参加する資格は・・・」
「あるわよー!!私達はかつては『雛』だったんだから!!
カッコウさんもそうだよ!!
私達、産まれてから大きなって飛べるようになっても、『雛』まつりなのよ!!」
「私も・・・『雛』・・・」
「だから、一緒に祝いましょ!!私達の『雛まつり』!!
産まれてからずっと、雛まつりだわよ!!」
「これから一緒に私達の『雛まつり』をしましょ。
今日だけ『雛』に戻って・・・」
〜雛雛雛雛雛まつり!!〜
〜fin〜
雛雛雛雛雛まつり!! アほリ @ahori1970
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます