2#卵を抱く鳥

 「みーーーんな雛が産まれて、後取りの子孫が産まれて、

 みーーーーんな『雛まつり』なのに・・・


 何で私の卵だけ!!雛が孵らないの?!」 


 どうして?!何でどうして?!


 ねぇ!!どうしてなのぉーーーー!!」


 森の中で、たったひとつ。巣に卵が産まれない巣があった。


 それは、自分より大きな卵を温めて座っているカッコウだった。


 カッコウのカクコは、何時まで温めても経っても孵らない卵に焦って、涙目になって悲嘆に暮れていた。


 「どの鳥も私が托卵しようとすると、直ぐにしっ!しっ!と追っ払ってさあ!!

  

 托卵に成功しても、直ぐに親鳥は私の卵を見つけては巣から落とすし・・・


 また今年も托卵作戦は大失敗だわ!!


 だからもう自分はカッコウの立場上、本当は卵なんか温めたくないのに。


 とはいえ、托卵する卵を産む力も無くなっちゃったし。


 本当に本音は私もこの『雛まつり』に参加したくて、ウズウズしてるのよ!!

 

 托卵という間接的に参加したかったけど・・・


 もうこうなったら、このカッコウの立場をかなぐり捨てて、逆に他の鳥の卵を自分で温めて『雛まつり』に参加したかったのに・・・!!


 やっぱり・・・カッコウじゃ無理なのかな・・・


 托卵という他力本願じゃ・・・


 せっかく、自分の力で卵を温める事を決心したのに・・・


 嗚呼・・・カッコウに産まれなきゃ良かったわ・・・ぐすん。


 嗚呼ぁぁぁーーーーー産まれろ!!産まれろ!!私の卵!!

 『雛まつり』に参加させてよ!!


 かっこう!!かっこう!!かっこう!!かっこう!!」 

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