2#卵を抱く鳥
「みーーーんな雛が産まれて、後取りの子孫が産まれて、
みーーーーんな『雛まつり』なのに・・・
何で私の卵だけ!!雛が孵らないの?!」
どうして?!何でどうして?!
ねぇ!!どうしてなのぉーーーー!!」
森の中で、たったひとつ。巣に卵が産まれない巣があった。
それは、自分より大きな卵を温めて座っているカッコウだった。
カッコウのカクコは、何時まで温めても経っても孵らない卵に焦って、涙目になって悲嘆に暮れていた。
「どの鳥も私が托卵しようとすると、直ぐにしっ!しっ!と追っ払ってさあ!!
托卵に成功しても、直ぐに親鳥は私の卵を見つけては巣から落とすし・・・
また今年も托卵作戦は大失敗だわ!!
だからもう自分はカッコウの立場上、本当は卵なんか温めたくないのに。
とはいえ、托卵する卵を産む力も無くなっちゃったし。
本当に本音は私もこの『雛まつり』に参加したくて、ウズウズしてるのよ!!
托卵という間接的に参加したかったけど・・・
もうこうなったら、このカッコウの立場をかなぐり捨てて、逆に他の鳥の卵を自分で温めて『雛まつり』に参加したかったのに・・・!!
やっぱり・・・カッコウじゃ無理なのかな・・・
托卵という他力本願じゃ・・・
せっかく、自分の力で卵を温める事を決心したのに・・・
嗚呼・・・カッコウに産まれなきゃ良かったわ・・・ぐすん。
嗚呼ぁぁぁーーーーー産まれろ!!産まれろ!!私の卵!!
『雛まつり』に参加させてよ!!
かっこう!!かっこう!!かっこう!!かっこう!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます