第3話 魔法少女の弟
イツキの反撃
魔法少女の衣装を纏った拳を構え、脱力する
右手を前に、右足を前に構える
しばしの静寂
イツキが右足を地面すれすれに、勢いよく前に出すと同時に、左足で地面を蹴る 軽く握った右拳をヴォーに向けて放つ
イツキの眼が光る ヴォーは驚く
見えない いや、見えていたはずの拳が突如自分に触れたのだ、イツキはヴォーの身体に触れる刹那、拳を強く握る
その拳は、ヴォーの腹部に潜る
イツキの身体は、右拳から左肩まで一直線
そのまま慣性の法則に従い、真っ直ぐと拳に全体重が乗る
それと同時に右足は地面に着いていない、そのまま進む
地面を蹴っている左足が、拳にパワーを伝えている
拳がヴォーの腹部3cmほどの所で急激に引き戻された
ヴォーが、悲鳴をあげる!
「ぐああっ!! 」
今までに感じたことの無い痛みが、ヴォーを苦しめる
ヴォーは吹き飛ばされる事なく、苦悶の表情
凄まじい衝撃 その痛み 息が出来ない
イツキはそのままヴォーの左側面に進んで行く
イツキの右足が、ヴォーの踵を踏む
同時に左足が前に進む
そしてヴォーの後ろ髪を掴み、斜め下に向けて引っ張った
ヴォーは後ろに倒れ、景色が動く
いつの間にか、天を見つめていた
「(何が起きている? 私の身に、何が、、)」
ヴォーはハッと我に帰るが、時すでに遅し!
イツキの拳が、ヴォーの顔面に炸裂!
ヴォーの頭部が地面に刺さる!
「ガッ!、、(何だ、、これは、この男は何だ、、!)」
恐怖 得体のしれない人間の力
ヴォーは魔法を使う余裕もなく
いつしか腕を自分の顔の前に出し防御を固めた
しかし、何も起こらない
次は何をされるのか、怖くてたまらない
腕の隙間から何かが動いているのがわかる
思い出した、自分は魔王軍最強の四天王!
人間ごときに、臆することは許されない!
思い切って腕をどかし、勢いよく立ち上がる!
その瞬間!
ヴォーの後頸部に! 特大の衝撃! 骨の音が鳴り響く!
ヴォーは白目を向き、前へと沈んでいった!
公園の景色が晴れ、邪悪な魔力が消えて行く
すかさず魔法少女が、ヴォーの頭をポカリと叩く
ヴォーは、ゆっくりと、、煙になって消えた、、
イツキが、右腕の袖で口元を拭い
唾を吐き、こう言った
「 楽勝だぜ ペッ! 」
ここで驚くのはただ一人 精霊キリコである
「ななな、なんだあ!? いいイツキ!? なにそれ!!」
「あ? 何って タイマンだろ」
「タイマン、、? 女神の衣で、、喧嘩、、?」
「ああ! 良いアイデアだろ? へへ」
良い笑顔である
イツキの拳に巻かれた魔法少女の衣装が、風に舞う砂のように消えていく
魔法少女は、イツキの元へ走る
そして、イツキに抱きつく
「姉貴、、 大丈夫か?」
イツキが魔法少女の頭に手を乗せた
次の瞬間! イツキの股間に激しい痛み!
「ああ姉貴っ、、! それは反則、、」
「バッカじゃないの!? 何考えてんのよ! 危ないでしょ!? もう!信じらんない!!」
キリコが言う
「桃子 イツキが居なかったら僕達はやられてたんだ」
「うっさいわね! うちの弟になんかあったら許さないんだからね!! 勝手な事言わないで!!」
キリコは察した、、
「ごめん、、無神経だった、、」
魔法少女は思い出した
「あっ 帰ってカチコチ観ないと あんた達、帰るわよ」
イツキがジャンプしながら答える
「ああ、帰ろう 俺も新作観る予定がある いててて、、」
「は? あんた、あたしがこの前貸したOVA観た? 見てないでしょ! 正直に言いなさい!」
「いやぁ、、俺も見ようとは思ってんだけど 他の作品が溜まっててさぁ はは」
「わかってないわねぇ〜 徹夜して見るのよ! あったりまえでしょ!? マジで超感動するから! あの特攻見たらマジ涙止まんないから!」
「え〜、、だってOVAだろ?」
「OVAをバカにするような子に育てた覚えはない!」
「いや、でもさぁ 本編のが重要じゃん?」
「バッカじゃないの!? アレ本編と繋がってるから!」
「えマジで? 観ないと支障でる?」
「出ないわよ」
「ほらぁ〜」
「ほらってなによ!! 信じらんない!!」
キリコは口を挟む
「帰ろうよ」
一方その頃魔界では、、
「た、只今戻りました、、 」
「ヴォーよ 手酷くやられたようだな 魔法少女か」
「い、いえ、、人間でございます、、」
「人間だと!? 貴様! 人間にやられたと申すのか!」
「はい、、」
「このままでは済まされんぞ 次は兵を率いて行って来い」
「かしこまりました、、、魔王様」
『まじかる☆みっしょん!』 つきの月 @mobu92f
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