第2話 最強幹部

 キリコは驚愕した


 桃子の自宅の玄関で、先程の不良が入ってきた


 天馬イツキ 桃子の弟



 イツキは驚愕した


 自宅に入れば、さっきの猫


 女神の右腕、精霊キリコ



 2人は、イツキの部屋で会話をする



 キリコは今までの経緯をイツキに話した



 「それで僕は、桃子に魔法少女になってもらったんだ、、」


 「そうか、、大変だったなそりゃ でも弱すぎだろアレは」




 「いやぁ 乙女の夢パワーを攻撃に転用するのが 上手くいかなくて、、」


 「夢パワー? なんだそりゃ」




 「夢パワーは 魔法少女が持つ乙女の夢、希望、愛、憧れ、高揚、それらをエネルギーに変えるんだ」


 「な!? じゃあ無理だ、、姉貴にはソレがない、、」




 「ない? それってどういう、、」


 「俺達兄弟は、目の前で両親を殺された、、俺は当時1歳、姉貴は7歳、、俺は覚えて無いが、姉貴の脳裏には未だにソレが染み付いてる、、トラウマって奴だ それから姉貴は精神崩壊して入院、つい最近まで通院してた 友達もいないし、通院の間も、男に騙されたり、詐欺にあったり、、 それでもやっと、今の状態にまで回復したんだ」




 「な、、じゃあ、、」


 「ああ 姉貴は戦えない、いくら洗脳してもな 悪いが他を当たってくれ」




 「そ、それが出来ないんだ 魔法少女を生み出すには、女神の魔力を渡す必要がある、、桃子に渡したのがそれだ そしてそれは、一度しか出来ない、、」


 「は!? じ、じゃあ どうしようもねえじゃねえか」




 「ああ、、 桃子に戦ってもらうしか道はない、、」


 「無理だ! 姉貴にそんな事までさせられない!」



 ここで桃子が部屋に入って来た



 「イツキ〜 鉄人兵団知らない? あ!旧作の方ね!」


 「あ、姉貴 んあ〜、、 たしか師匠の部屋だ、先週貸してただろ」




 「あー!! 師匠の部屋か! どうりで見つからないわけだわ〜 ありがとっ」


 「あ、あと姉貴、コイツのことなんだが、、」




 「あ〜キリコ? あたし動物とどう接して良いかわかんないから あんた面倒よろしく〜 じゃあねっ」


 「え! ちょ姉貴!」



     バタン



 「と、、いうわけだキリコ、、」


 「うん、、よろしくたのむよ、、」



 かくして! 重い空気の中、キリコの生活が始まる!




 翌日




 イツキは学校、桃子は部屋でアニメを見ていた



 「いやーーー!! ヤンが死んだーー!! 嘘と言ってーー!! 主人公が死んでどうすんのよ!!」



 そこでキリコが何かに気づく



 「ハッ! この気配、、カンシャーク? いやもっと別の、、桃子! 敵が出たよ! 変身して!」


 「えー 今いいとこなのっ 邪魔しないでっ」



 「僕の目を見てっ」きゅるるん☆


 「あれ? 世界救いた〜い」




 そしてやって来た!


 公園へ!



 そこには謎の男


 青白い肌、充血した眼、黒いマント、まるでヴァンパイア


 キリコが気づいた



 「あれは、、魔王軍の幹部、、ヴォー・リョック!!」



 ヴォーが気づく


 「ん? 貴様は、、女神の右腕 隣に居るのが魔法少女か、、」


 「なぜお前がここに!」




 「なぜだと? 貴様らがカンシャークを倒したからだろう 魔法少女が現れたとみて、殺しに来たのだ、、」


 「くっ、、まずい 今の桃子では倒せない」



 魔法少女がタイミングを見計らい、大声をあげる



 「出たわね! 敵幹部! あたしが相手になるわ!」



 ヴォーがニヤリと微笑む


 そして魔法少女がイカしたセリフを吐く



 「さあ! 天の川銀河を守るわ! 悪徳と野心!頽廃と混沌をコンクリートミキサーに入れてぶちまけるわよっ!!」



 魔法少女が走る!


 ヴォーの元へパタパタと!


 そしてポヨンと弾き返された


 ヴォーが驚いている



 「まさか、、これで全力なのか? いや、こんなものでカンシャークがやられるはずもない、、貴様 舐めているのか?」


 「舐めてないわよ! バッカじゃないの!?」




 「ふむ、、『刺殺氷結刃フリージング・デス・ブレイド』」



 魔法少女の左右氷の刃が襲いかかる!



    パキン!



 魔法少女の衣装が、氷の刃を破壊した



 「ほう、、防御性能は高いようだ それが例の『女神の衣』か、、」



 魔法少女はビックリしてあたふたしている


 キリコが案を出す



 「桃子! 接近戦だ! うんと近づいて必殺技を!」


 「おっけー! やるわ! ラブリーチャージ!」



 ステッキに光が集まる


 魔法少女が走る!


 ヴォーがそれを食い止めようと氷の刃を出し続ける


 しかし魔法少女の衣装に破壊され、気づけば目の前



 「くっ、、!  しまった!」



 魔法少女が詠唱を開始する



 「脳裏に焼き付く獣の姿 心は折れ 景色は歪む 弾けるは魂 身体は死に 獣は私の血を啜る お気に入りの人形達が そんな私を嘲笑う こっちを見るな! 動いて見せろ! ひっさあああつっ! プリティ・ラブ・ビーームっ!!」



 魔法少女が至近距離から放ったビームが!


 ヴォーに炸裂!


 しかし効かない!


 ヴォーは驚きを隠せない!



 「なっ!? 貴様ああ! ふざけけておるのかあああ!!」



 ヴォーが魔法少女に殴りかかる


 何度も何度も拳を突き出し


 何度も何度も氷の刃が魔法少女を襲う


 しかしそれも効かない



 「おのれえ!! 『魔界召喚ディーマン・レルム・サマニング』!!」



 公園全体が、黒く染まる


 天は濁り、辺りに霧が立ち込める


 キリコが叫ぶ



 「まずい! 桃子! 逃げるんだ!」



 魔法少女は慌て


 ヴォーは怒鳴る



 「これで貴様も! 終わりだあああ!!」



 その時!



 ヴォーの後頭部に蹴りを入れる1つの!


 ヴォーには効果が無いようだ



 魔法少女の目の前に



 その影が姿を現した!



 「かってぇな、、蹴りは効かねえか チッ!」



 キリコと魔法少女が驚く!


 「イツキ!!??」




 ヴォーがそれを不思議そうに見ている


 「なんだ貴様は、魔法少女の手下か」



 イツキは言う



 「はっ! 違うね 可愛い弟だ」



 キリコが状況を説明する


 「イツキ! コイツは魔王軍の幹部ヴォー・リョック 四天王最強の男だ 桃子の衣装は邪悪な魔力を浄化させる、今は防戦一方なんだ でも、公園が魔界の魔力で満たされて このままだと僕達はヤられる」



 イツキは驚く


 「魔王軍の幹部!? 最強って、、雑魚キャラの次に出て来て良いキャラじゃねえだろ! クソッ!」


 「イツキ! 魔法少女の攻撃はやっぱり効かない! ここは僕達でどうにか切り抜けよう! 何とかしてここから逃げるんだ!」



 ヴォーが攻撃を開始する



 「雑魚が増えたか 刺殺氷結刃フリージング・デス・ブレイド



 氷の刃がイツキを襲う


 イツキはギリギリで回避


 横に飛び、ヴォーを睨みつける



 「この野郎、、これじゃ近づけねえ」



 ヴォーの攻撃が続く



 その光景に魔法少女が傷心


 戦うイツキを見つめながら、ペタンと座り込んで涙ぐむ



 イツキは避け続けるも、敵の攻撃が当たり出した



 「ぐああっ!、、くっ、、(なんか考えろ、どうすればいい とにかく近付いて、、いやダメだ、攻撃が効かねえ 何か武器でも、、あるわけねぇかクソ、、なにか、、あ! )」



 イツキは閃いた



 「姉貴っ! ゴメンっ!!」



 その時!


 イツキが魔法少女の胸元へ手を伸ばす!


 衣装を引きちぎり! 魔法少女のツルペタが露わに!



 「キャっ! ななな、なにすんのよ!」



 イツキは、破いた衣装を裂き


 両の拳に巻き付けた



 「だから ゴメンって言ってんだろ」



 ヴォーがその光景を見て驚愕する



 「女神の衣を引き裂いただと、、? 」



 ヴォーは攻撃を続ける


 「死ね! 刺殺氷結刃フリージング・デス・ブレイド!」



 イツキがそれを、拳で叩き割る!


 イツキに勝機が見えた!


 「やっぱり、、 イケると思ったぜ!」



 ヴォーは、イツキに問う



 「貴様、、何者だ」




 イツキは、ニヤリとしながら答える




 「 可愛い弟だって言ってんだろタコ助が


    これでやっと、、タイマンが張れるぜ 」



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