ひな祭りに書く

むかではみ

ひな祭り

ひな祭りは昔の人形流しという厄払いを由来に、『ひいな遊び』という人形遊びを経て、江戸時代に人形を飾るという文化になり今の形になったのだとか。


ひな祭りは女の子の日というように、古くから女性の幸せを願ってきたのだとか。


女性が社会進出するようになった昨今、男尊女卑の考え方は在れど表立って口にするのは憚られる現代。ひな祭りの願うところ、女性の幸せというのもようやっと現実的に考えることが出来るようになってきたのではないだろうか。


歴史に無知故、否定することは簡単なのだがここだけのこととして聞いてほしい。


ひいな祭りと呼ばれていた今は昔、女性の幸せを願うことのその重さを。


女の子の日、女性の幸せを願う日と口にするだけなら簡単だ。私の住まう所は田舎ゆえに所謂古い考えが蔓延る。「女性の幸せは結婚すること、子供を産み育てること」と。女性の役割とまで言われるそれを。


今でもなお男尊女卑の根っこはしつこく残っているが、女卑の考え方がいかに悪辣であるかを考えることさえしなかったその日において、選択肢の少ない女性の是非において、幸せを祈ることのその重さを。私たちは考えることを止めてはいけない。その祈りの切実さを。


今のひな祭りが商業的視点において祭事ではなく利益に繋がるイベントとして扱われているとしても。ひな祭りが願うところ、女性の幸せのその重さについて、祈りを忘れてはならない。


男尊女卑について問題提起することの出来る現代の風潮に感謝を。

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ひな祭りに書く むかではみ @honedachi

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