第32話

ザン!

水音が響き渡り、光はかぐや姫を抱きかかえたまま湖水に飛び込んだ。

光。光。

私たちは、やっと自由になれたのね。

たとえ生まれ変われなくても。

このまま泡になり消え失せても、幸せよ・・・・・・。

あなたと共に生きることができた。

もう、二度と離れない・・・・・・。

かぐや姫と光の想いは輝きを放ち、やがて固く抱き合った二人の姿は銀色の水へとけこみ、消えた。

そして深い水底に落ちていった望樹の実は、どこまでも沈んでゆき。

やがて玉津町の古い民家の庭先に、ぽとりと落ちた。

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