第19話

夜輝天女は満足げに微笑むと侍女に目配せし、水盤をかぐや姫の前に掲げさせた。

銀色にきらめきを放つさらさらとした水。

かぐや姫は手の中にある光り輝く望樹の実に。

静かに瞳を閉じて、祈りを込めた。

光。光。お願い・・・・・・。

逝かないで・・・・・・。

ぽちゃり

と音を立てて望樹の実が水盤の中に沈み込む。

ぷくぷく、ぷくぷく、とほのかな泡が弾けた。

まばゆいほどの銀の光が水盤からあふれ出し、やがて水面に。

風にそよぐ草原が見えた。

大きな月も映りこむ。

ウサギが一羽、跳ねる影が見えた。

さくり、と音が聞こえた気がした。

そこを歩く、若者の足音が。

影が、見えた・・・・・・。

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