第13話
千年前。
月に帰ったかぐや姫は、地上で恋仲となった光に会いたくてたまらなかった。
その一心で女王になる決心をした。
母である夜輝天女から女王の座を引き継いでしまえば。
きっと、また地上に行くこともできる。
夜輝天女は月から地上まで迎えに来たのだから。
その時に光とも、おじいさんとおばあさんと会うことも、きっとできる・・・・・・。
そして、夜輝天女に逆らいかぐや姫の願いを聞き届けたために地上に残されたハクを月に戻してやることも。
そうして夢見ることで、孤独の中でなんとか正気を保っていたのだ。
愛しい人間達と、優しい従者と引き裂かれた痛みを耐えていたのだ。
また、再び会える、という希望を持つことで。
だが、一年後。
月の庭から、青く大きな地球を眺めていたかぐや姫は、そのほっそりとした手を伸ばした。
幾度、手を伸ばしたろう。
地上にいる日々は月に向かい。
月へ来てからは、地上へ向かい。
届かぬ手の先にあるのは。
あの懐かしく幸せだった日々。
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