第11話

かぐや姫はこともなげに言うと、手の中の弓矢を差し出した。

「あのな。目標物が見えないのにどうやって射るんだ」

「あら。木の実を射ちゃだめよ。ちゃんと、傷をつけないように枝ごと射ち落としてちょうだい」

「・・・・・・かぐや。俺の言った事は聞く気がないか?そ~か」

憮然とした光に、かぐや姫はきょとんとした表情を浮かべる。

「えっ?もしかして、できないの?なぁんだ。光の腕って、たいしたことないのね」

バッ!とひったくられるように弓矢がかぐや姫の手の中から消える。

「・・・・・・見ていろ。枝を落としたら、その言葉、取り消せ!」

言葉を終えると同時に、きりきりきり、と空へ向け弓に矢をつがえる光に、かぐや姫はにっこりと笑った。

ほんとうに、負けん気強いんだから。

子供みたいね、光。

そう。もともと、城主であった光は、ものすごく負けず嫌いだ。

そして、勝つと子供のように純粋に喜ぶ。

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