第10話

「・・・・・・泣いて、いたのか」

侍姿の若者が気遣うように見つめた。

「だから。あまり、地上を見るのは良くないと言っているだろう。もう、俺たちには関係ない世界だ」

かぐや姫は少し小首をかしげると、たおやかに笑んだ。

「そんなことないわ、光。おもしろいわよ」

続いて、細く高い木を見上げる。

「光、あれがほしいの。取ってきてくれない?」

かぐや姫が指差す先にあるのは、高く高く伸びた木のてっぺんだ。

「・・・・・・なに?なにが欲しいって?」

「ほら。この木のてっぺんで揺れている木の実よ」

「・・・・・・・」

光はしばし無言のまま遥か彼方の頂点を見た。

「妙だな?俺には見えないが」

そう。高い高いその木は、上に行くほど霧に包まれてよく見えないのだ。

「とってもキレイなのよ。見えなくてもいいから、取ってちょうだい」

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