第7話

「花をこんなに手折ってくるのは、殺すのと同じよ。ただ花を集めたいからと命を奪っていいと思うのは、傲慢だわ。おまえは龍神。人間のような真似をしていいと思っているの!」

きつい言葉を投げつける。

うれしげに言葉を待っていたハクの瞳が、一瞬哀しそうに曇ったのが、わかった。

三角の耳が、ぱたりと後ろに倒れ。

しっぽも、しょんぼりと力無くたれる。

だが、すぐに

「そ~ですね。私の考えが足りませんでした。花に申し訳ないことをしてしまいました。さすがはかぐや姫さま。いずれ闇の女王さまに、月の神となられる方です」

そう、明るく言ってにっこりと笑った。

「さぁ、もうこんなに明るいと人目につきますから、お部屋へ。今日の朝餉はなにをお召し上がりになりたいですか?」

ハクはなんでもないようにかぐや姫を部屋へと連れて行ったが。

相変わらず。

しっぽも、耳も、しょんぼりと垂れているままだった。

それが、初めてハクに対して覚えた罪悪感だ。

かぐや姫がどんなにわがままを言っても、鈍いから傷つかず平気なフリ、をしているのだと気が付いた。

心優しい龍神。

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