第34話

「彼に少々腹が立ちました。すぐ行きますので、先に食べていてください」

さゆはとっさにハクの前に進み出た。

「り、凌ちゃんにケガさせないで!ケンカもしないで!お正月なのに!璃桜ちゃんと、凌ちゃんと、初めて迎えるお正月なのに!」

そう、美花穂も止めた方がいいと思った。

でも、これではハクが悪者扱いだ。

困惑した表情を浮かべているハクの前に進み出て、美花穂は静かに口を開いた。

「そういう言い方は、おかしいわ。ハクはさゆさんのために怒ったのよ。かばう相手が違うでしょ」

さゆは真っ赤になってうつむいた。

「ごめんなさい、でも。でも、お願い・・・・・・」

ハクは優しく微笑んだ。

「大丈夫ですよ。彼にケガなどさせません。ケンカもしませんから。少し、話するだけです」

「話って・・・・・・あの人が、聞く耳持つわけないじゃない。ハク、もう構わない方がいいわよ。明日になったら帰ろう」

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