第33話

「凌さんですね」

「ち、ちがう・・・・・・凌ちゃんは、何も・・・・・・ご飯いらないって言われただけで・・・・・・」

美花穂は一度だけハクがひどく怒ったときの顔を見たことがあった。

もしかして人間を襲っているのか、と聞いてしまった時に・・・・・・

これは。やばい。絶対に、やばい。

「ハ、ハク。とにかく、夕飯にしようか。せっかくのお鍋だし・・・・・・」

言いかけた美花穂に答えず、ハクはしばしさゆと璃桜を見つめた。

きれいなさゆの瞳が戸惑ってまたたく。

こんなに。小さくて幼い少女が、全霊で想っているのに。

実際のさゆはもう十九歳なので全く持って小さくはないのだが、ハクの目にもさゆは十五歳の少女として映っていた。しかも童顔なので、もっと幼く見える。

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