第32話

「ちょっと、雪遊びなら昼間やったほうがいいわよ!風邪ひくわ」

廊下に出てきた美花穂の驚いたような声に、さゆと璃桜は同時に振り向く。

さゆは慌てて涙をぬぐい、雪うさぎをそっと石の上に置いた。

璃桜の肩を抱くようにして戻ってきたさゆの瞳は、真っ赤に泣きはらしている。

がたがたと音をたてながら雨戸を閉めようとしていたハクは、しばしその手を止めた。

「どうかしましたか」

さゆは慌てて顔を背ける。

「ち、ちがうの。璃桜ちゃんが、雪うさぎくれて。それがうれしくて、つい泣いちゃった・・・・・・」

「ちがう、とは?私は何も言っていませんよ」

固い声で答えたハクの表情が、冷たく強ばっていくのがわかる。

さゆは、自分が怒られているのかと怯えて璃桜の腕にしがみついた。

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