第七章 勝負

第26話

「凌ちゃん、ごはんできたよ。ハクさんがお肉とお餅用意してくれたから、お鍋もおいしそうにできた」

さゆの明るく無邪気な声が部屋の外でする。それは、先ほど怖い思いをしたさゆが何とか平静を装い出している声だったのだが、凌はまだ激しい心の痛みに縛られたたまま

「いらねぇよ」

と乱暴に答えた。

「え?おなかすいてないの?気分でも悪い・・・・・・」

バン!と何かが投げつけられる音がして襖が大きく揺れた。

さゆは驚いてびくりと身を退く。

「ど・・・・・・どうか、したの?凌ちゃん・・・・・・あの、さっきはお供えしようとしてごめんね」

「俺は、妖怪の肉しか食えねぇんだ!おまえの料理は全部吐き出しちまうんだよ!」

・・・・・・え・・・・・・

そんなこと。初めて聞く。妖怪の肉を食べているのは知っていたが、普通の食事ができないとは聞いていなかった。

凌は、さゆの手料理が食べたい、うまい、と言っていたのに・・・・・

思わず、がらりと襖を開けてしまった。

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