第25話

そこで終わった手紙に包まれて二枚の写真が、入っていた。

一枚には絵梨奈と凌と、璃桜が映っていた。

初めて璃桜が帰ってきた夜に、凌の部屋で。

和彰がケータイで撮影した写真だった。

もう一枚は。

和彰と璃桜が並んでいる自分撮りの写真だ。

美しいが無表情な璃桜の隣でうれしそうに笑う和彰は、Vサインをしていた。

必死に口を押さえた凌の目からとめどない涙があふれ出る。

いくら誘ってきたとはいえ、まだ十三歳の璃桜を興味本位で抱いたのだから、和彰にも責任はある。

そう思いこむことで逃れていた罪悪感が一気に押し寄せて来る。

出来心では、なかった。

和彰は、本気だったのだ。

本当に璃桜を愛していたのだ。

なぜ自分におぞましい生き物が移ったか、すべてを理解した上で、璃桜のことを心配するほどに。

自分の腹部にメスを突き立てて息絶えていた和彰。

それは。死ぬためではなかった。

生きるための選択だった・・・・・・。

「和彰・・・・・・和彰。俺と璃桜なんかと関わらなければ・・・・・・。すまない・・・・・・すまない・・・・・・」

どれだけ謝ろうと後悔しようと。

もう、和彰に届くことはない。

手紙を握りしめて泣く凌の心を、さらなる絶望が覆っていった。

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