第27話

本が散乱した部屋に電気もつけないままうつむいて座り込んでいた凌の顔が上がる。

青碧色の目にはひどく危険な光が灯っていた。

数ヶ月前。稲荷神社で狐の妖怪を殺そうとした時と、同じ目つきだ。

「あ、あの。じゃ、ずっと無理して・・・・・・ご、ごめんね。でも夕飯一緒に食べよう。私、妖怪のお肉もお皿にのせるから。大晦日だよ、璃桜ちゃんだって・・・・・」

凌の表情に激しい怒りがよぎり、次の瞬間さゆに向かって重い医学書が飛んできた。

無論、当てるつもりではなかったのだろう。投げた方向はさゆからはかなり離れていた。だが後ろの壁に勢いよく当たる。

さゆは恐怖で足がすくみ、そのまま座り込んだ。

「璃桜の事など知ったことか!あいつが全ての元凶なんだ」

ぴしゃん!と音を立てて襖が閉まる。

耳の奥に残る凌の声と拒絶する襖の音に愕然としたまま泣いていたさゆは、十分後がくがくと震えながらようやく立ち上がった。

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