第13話

「凌ちゃん!」

てっきり凌が来てくれたのだと思い、うれしくて顔を上げると。

金色に光る光彩が目に映った。

いつのまにか間近にいたのは、ハクだった。

全然。気配も、足音も感じなかったのに・・・・・・。

「・・・・・・割ってしまったんですね。すいません、さゆさんには無理だったのに、お願いしてしまって。私が片づけますから」

ハクは優しく笑うと、さゆの手のひらを眺めた。

「破片でケガはしませんでしたか?」

さゆは赤くなって、こくり、とうなずいた。

再び涙があふれる。

「大丈夫ですよ、まだ蔵に白磁器はありますから。片づけたら、ちゃんとお供えしておきます」

さゆの涙を勘違いしたハクに

「だ、だめっ!」

とさゆは叫んだ。

「あ、あの・・・・・・あの、お供えは・・・・・・」

驚いているハクに言い訳しようとしたがうまく言葉が、見つからない。

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