第9話

人間は。恐怖に直面すると、声を失う。硬直してしまう。

がくがくと震えた美花穂の足は力を失い、へなへなと座り込んだ。

それと同時に。

らんらんと光る金色の光彩を持つ目。

白い肌にびっしりと浮き出た鱗が目前に浮かんでくる。

龍の本質を持つ、ハク。

い、いや・・・・・・うそ・・・・・・

腹部を手で押さえて震えた美花穂の身体が、突然背後から抱きかかえられた。

「美花穂さん?大丈夫ですか?」

「いやっ!」

反射的に美花穂はその腕を振り払った。

呆然としたハクの驚きと傷つきが入り混ざった表情に、思わず目をそらす。

「な、なんでも、ないの。少し。火にあたりすぎて、気分が・・・・・・家に戻るわ」

激しい拒絶にあって一瞬声を失ったハクは、美花穂が見ていた先にあるものに気がついた。

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