第8話

家を離れ、林の中に入った美花穂は、はぁ、と大きく息を吸い込む。

外の冷えた空気が新鮮ですがすがしく感じられた。

まただ。気分の悪さは、食べ物のにおいから離れるとすぐに落ち着いた。

まさか・・・・・・

ケータイを取り出し、スケジュール表を見る。

月経があった日は、つけてあった。

今月は・・・・・・まだない。でも、先月はちゃんと来ていた。

大丈夫。遅れているだけ・・・・・・

早くなる心臓の鼓動をなんとか押さえようとしたとき。

何か、酷く鉄臭い香りに気がついた。

視線を向けた先にあるそれが、耳と目に飛び込んでくる。

ぼたり、ぼたり、という鈍い音。

逆さまに木にぶら下がり、風に吹かれてぶらぶらと揺れている、首のない鳥。

切り落とされた首の先からしたたる血液が。

地面に置かれたブリキのバケツへと、音を立てながら落ちていた。

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