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 久しぶりに拓磨は実家に帰ってきた。


 その頃拓磨は大学生で、都内で一人暮らしをしていた。

 前日に母と話をしたところ、実家のお料理ロボットは壊れたばかりだという。故障の箇所は見当がつく。しかし修理しようにも部品が手に入らず、直せないだろうと拓磨は思っていた。

 海外製のロボットを買い直すにしても、ひどい円安のため今ではかなりの高級品だ。



「ただいま」

 拓磨は玄関で声をかけた。すると母が出てきた。

「おかえりー、元気でやってた?」


 母は張り切ってとびきりの笑顔を作り次のように言った。


「今日は腕によりをかけてご飯作るからね!」


 拓磨は少し面食らって、思った。

 お母さんが、張り切って楽しく作ってくれるなら、それでいいや。


 自然と、笑みがこぼれてきた。少しまずくても、失敗していても、お母さんの気持ちが嬉しかった。

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完全自動栄養食 冴蔓湖禽 @saedurukotori

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