概要
君の『好き』が欲しいだけ。ねぇ、どうしてまだ言わないの?」
朝の理科室。
まだ誰もいないはずの静かな教室に、甘い香りが漂っていた。
窓から差し込む朝の光。
机の上に並べられた実験器具。
そして――
静かに差し出された、一杯のジュース。
それは、一見すれば何の変哲もない飲み物だった。
だからこそ。
彼女は疑わなかった。
優等生として知られる少女。
ブリュンヒルデ。
いつも丁寧な言葉遣いで、誰に対しても礼儀正しく。
笑顔を絶やさない。
先生からの信頼も厚く、クラスメイトからも頼られている。
そんな彼女の日常は。
その一杯によって、静かに崩れ始めた。
「これ、実験に使うものだからね」
そう言って笑うヤバイ先生。
その笑顔は教師としてのものなのか。
それとも。
別の感情を隠すためのものなのか。
彼の視線は、あまりに