第46話

あの日お風呂入らず寝ちゃった!!と大声を出して焦っているアタシを驚いた目で見たヒビキは、今後もう二度と見る事が無い程に笑っていた。


目に涙を浮かべながらお腹を抱えて笑っていたと思う。


そこからよくこの家には来るようになった。


と言っても学校が休みの前の日とかが多いと思う。


それ以外はSSSに行く。


でも大学に合格したアタシを心配するヒビキは余り遅い時間にアタシを外に出したく無いらしく、前よりもこの家で過ごす時間が増えたと思う。


ヒビキと二人きりと言う訳でも無く、ヒラさんだったりホノだったりヒイロちゃんだったりも遊びに来る。



「ヒビキ〜、ありがと。つかこの家アタシの物増えすぎ?」


「確かに何処見てもユラの痕跡だらけだな」


「持って帰った方がいい?」


「またどーせ持ってくんだろ?置いとけ」



アタシとヒビキは付き合っていない。


そもそも付き合うって話すら出てない。


ヒビキがアタシを好きだと言ったのはあれっきりで、この部屋に何度泊まったって手は出されない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る