第47話

もう多分、アタシの事は恋愛として好きでは無いんだと思う。


多分妹に見えているんだと勝手に思ってる。



「ヒビキお風呂入ったの?」


「入った」


「今日はお酒飲まないの?」


「ユラも飲むか?」


「飲もっかなあ」


「じゃあ俺も飲むわ」



プルタブを勢い良く開けてがこんと歪な音を立てて乾杯をする。


ぐびぐびと飲むビールはしっかりと冷えていて、美味しいなあと何時も思う。


ヒビキはお酒が好きだ。


それもビールが好き。


アタシもビールが好きだ。


こんなに長い時間を過ごして瀬戸ヒビキという人間がどういう人間なのか、ちょっとずつ分かってきている。



「ピスタチオ食べたい」


「だと思った」



ヒビキはアタシにずっと甘い。


アタシも初めの頃とは違ってそんなヒビキに甘えに甘えまくっていると思う。


ヒビキは優しい。


ずっとアタシの事を気にかけてくれているし、言葉足らずだとは何時も思うけど、それは全く苦じゃない。


寧ろ心地良いと思っている自分が居る。

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