第45話

ダイチくんがずっと一緒に居てくれたけど涙はずっと止まってくれず、アタシはあの日泣き続けてた。


その後はヒラさんの運転する車に乗ってこっちまで帰ってきた。


車の中でもアタシの啜り泣く音がずっと響いてて、それでもヒビキは何も聞いてこなかった。


ヒラさんもヒビキと一緒に居る時は彼の話をしようとしない。


だから必然的に誰も何も聞かない車内はアタシの泣いている音だけだった。



「今日泊まれよ、明日休みだろ?」


「うーん。でもヒビキお仕事でしょ?」


「家で出来るから大丈夫だ」


「ほんと?ヒラさんに怒られない?」


「ふっ、なんの心配してんだよ」



その後は泣き続けたアタシは疲れてそのまま眠ってしまい、気付いた時にはこの部屋のベッドの上だった事を覚えてる。


初めて見る景色に少し戸惑ったけど、寝具から匂ってくる香りには覚えがあったからヒビキの家だとすぐに分かった。



「じゃあ泊まる」


「先風呂だろ?着替え好きなの使えよ」


「はーい!ありがとっ」

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