第43話

「煩い男ってモテないの!?」


「えー?どうだろ?……ダイチくん、どう?」


「ふは、困った時俺にフルのヤメテ?まー落ち着いた男性の方が魅力的じゃん?ヒラさんとヒビキさん思い出してみろよ」


「はっ、俺は……駄目だ……」


「俺はユキヤの事好きだけどね?」


「持つべきものは友だああああ!」



こんな光景を見られるのは後何回だろう?


此処に彼が居たらなんて言うのかな?


『ゆっくんうるせーよ』って言ってそうだなぁと居る筈だった彼を泣きそうになりながら思い出す。



「じゃ、また集会所で〜!」


「おー、気をつけてなあ〜!よし、じゃあヒビキさん家まで行こっか?」


「うん、お願いします」



アタシ達の中でスカイグレー色の彼の話をする事は無くなった。


吹っ切れた訳でも吹っ切れてない訳でも無い。


只何となく思い出せば涙が出そうになるからアタシからその話題を避けているんだと思う。


きっとそれにダイチくんもゆっくんも……というかアタシの周りの人達は気付いていて、皆優しいからその話題には触れようとして来ない。

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