第40話

それはもう犬かのように撫でられる。


アタシの頭を撫でるとダイチくんがにこにこ笑うから、それもまあいいかと思ってそんなに怒ったりしてない。



「つか見てよ、これ、可愛くね?」


「わ、ちっちゃい、可愛い……」



画面越しで見るこれとは見ず知らずの赤ちゃんで、ダイチくんの片思い相手の所に生まれてきた子らしい。



「お祝い何にすっかな〜」


「うーん。なんでも嬉しいと思うよ?」



長年の片思いをここ最近やっと終わりに出来たらしいダイチくん。


告白はやっぱり出来なかったらしい。


それでも吹っ切れた!と言っていた笑顔は輝いていた。



「てかもー卒業じゃん?進路どーしたの?」


「大学受かったからね、そこかなーって。ダイチくんは?」


「俺も春から大学生!ってこの話したっけ?」


「そう言えば一昨日同じ話したよね?」


「ふは、ほんとだ。春からあんま遊べなくなるなぁ」



ぬいぐるみってこんな温かかったっけ?と思いながらそれで段を取るアタシを見て笑うダイチくん。

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