第28話

アカネの声に反応し、リュウさんはアタシを視界に入れる。


その所為で初めて彼と目が合い、やっぱりヒビキと似ているなと再認識。



「あの、えっと……」


「話すか?話すなら呼んでくるけど」


「話ても……いいんでしょうか」



真っ黒なオーラと暴走族の幹部と聞くと、取っ付き難いのかと思っていたがこの男はそうでは無いらしい。


やっぱりヒビキに似てる。



「彼奴は話したがらねー気がするけどな」


「それは、どういう……?」


「でもまー何時までも逃げてっと足元すくわれるだろーしな。着いてこいよ」


「リュウさん!ユラちゃん一人!?」


「お前らも来るか?別にいーぞ」


「よっしゃ!ユミ、行こっ!!」


「う、うん!!ありがとうございます!!」



着いてこいと言われたアタシはその彼に従う事にした。


だって話す為に来たんだよ?


今更怖がってたって何も始まんないじゃん。


二階席へと足を進めるアタシの手は震えてる。


なんなら足だってちょっとがたついてる。

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