第15話
その後直ぐに五万円程送金された事を確認し、タクシーへと乗り込んだ。
ママにありがとうとメッセを送る余裕も無く、タクシーの運ちゃんに取り敢えず隣の県までと伝えた。
取り敢えず電車で隣の県まで来れたので、次はそのまた隣の県に行かなくてはいけない。
そこまで行くのにタクシーの中で一時間とちょっと掛かるらしい。
もしもこれで会えたらアタシは彼に何を伝えれば良いんだろう。
帰ってきて?
戻ってきて?
一緒に居たい?
そんな言葉でいいのかな。
彼が何を感じて何故あの時居なくなってしまったのか全てが全て分かってる訳じゃない。
彼が言われた言葉一つ一つに確実に傷ついている事も知ってるし、それは分かってる。
只あの場所に居たくなくて居なくなった彼に戻って来いと言うのは酷なのでは無いのかな。
何時か消えてしまいそうだと思っていた彼。
"生きてさえいてくれればいい"
その気持ちに嘘偽りなんて無い。
今でも正直目撃されたと聞いてほっとしている自分が居るのも確か。
『ユラちゃん何処に居るの!?』
『大丈夫だよね!?一人で行ったりしてないよね!?』
『見たら返事して!!お願い!!』
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