第14話
二県隣まで行くにはこの電車に乗っても二時間以上は掛かってしまう。
それどころかこの電車で最後の電車だから、乗り換え先も無い。
という事はこの電車を降りればタクシーを拾うという手段しか無くなる。
「……もしもしママ、あのね」
流石にアタシが持っている電子マネーの残金ではタクシーに乗って彼の目撃された街までは心許ない。
タクシー乗り場でママに電話を掛けて、どうしてもお金が必要だとお願いをした。
ママはあの日アタシに何かあった事を知ってると思う。
何があったの?って聞かれた訳じゃないけど、ママはママだからきっと娘のアタシの事なんて手に取るように分かると思う。
ママが仕事の時は絶対に電話はしないと決めている。
だってどう考えても迷惑じゃん?
それも今日はその自分の中での決まり事を破ってママに電話を掛けた。
ママは珍しく焦っているアタシの異様な様子を察してくれていて、無事に帰ってきてねとだけ言ってくれた。
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