第13話
「……ユラちゃん?」
携帯から耳を遠ざけた事によってゆっくんの声はどんどんと遠くなる。
ゆっくんの言葉もロクに聞かず、携帯を握りしめたまま家を飛び出した。
ゆっくんからの電話で覚えてる内容は二県隣の県でタクが目撃されたっていう情報のみ。
この時間はぎりぎり電車がある時間だ。
アタシは全力で駅まで走る。
途中で握りしめた携帯を落としてしまって画面がばきばきに割れたけど、そんな事はどうでも良かった。
こんなに走った事あったっけ?と思うぐらいに今日のアタシは全力疾走。
運動神経なんてある訳無い鈍臭いアタシは足の速さもドンガメレベル。
「はぁっ……はぁっ……間に合ったぁ……」
駅中で盛大に転ける!なんて事にはならなかったけど、手に握り締めていた筈の携帯は落としてしまった。
落としてしまった衝撃で壊れたとかは全く無いけど、ゆっくんとの電話はいつの間にか切れている。
焦って家を飛び出した所為で携帯以外何も持って来ていない。
携帯の中には電子マネーが入っているから何とか公共交通機関には乗れる。
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