第3話

涙はあの日を最後にもう流れてはくれなかった。


心に穴が開いているのは今もだけど、それでも取り乱したり泣いたりしないのは確実に周りの人間のお陰。


今だって放課後になれば彼を探し回るアタシを心配するホノが居てくれている。


夜になると余り目が見えなくなる。


アタシは目が悪い訳じゃないけど、夜になるとどうしても見えずらくなる。


だから放課後は暗くなるまでずっと彼の背を追っている。



「よ。飯食ったか?」


「ううん、食べるの忘れてた」


「飯は食え。それは約束したろ?」


「うん。……ごめんね」



暗くなれば自然とSSSに足が向かう。


自然と、というかまあ半年間ずっとこうだったから癖みたいなもんなのかもしんないけど。


そこには何時もヒビキとユラさんが居るし、居ない時は何処から情報を仕入れるのか分からないけど気づいた時には彼らはアタシの隣に座っている。



「あ、ユラちゃん聞いてよ~。この前ホノカがヒイロと遊んだみたいでさ?ヒイロに『お兄ちゃんにあんな可愛い彼女は不似合いだ‼』って言われてさー。どう思う?お兄ちゃん悲しい……」

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