第2話
寒いなと肩をぶるっと震わせて何時も通りに学校へ向かう。
電車の中では何時も通りにイヤフォンを装着していて、周りの音はイヤフォンから聴こえてくる音によって遮断されている。
お気に入りの洋楽も新しいものになっている。
あの日からアタシの生活はがらりと変わった。
「おっは~‼今日もさっむいね‼スカートきちー‼」
「ホノ、おはよ。今日も寒いね」
変わったと言っても何が?って話だよね。
実際そう大差無いのかもしれないけど、心の穴は埋まってくれない。
「今日も行くの?」
「うん。出来るだけの事はやろうかなってね」
それでもこうして"普通"の生活が出来ているのは、周りの人間のお陰だと思う。
「そっか。無理はしないでね?ホノはユラの一番の味方だからね?」
「うん、分かってるよ。ありがとう。……ごめんね」
あの日から格段に"ありがとう"と"ごめんね"の回数が増えた。
アタシね、彼が居なくなったらもっと取り乱すと思ってた。
アタシがアタシじゃなくなるって思ってた。
だってこんなに好きになった事なんて無いんだよ?
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