ハチ
第1話
「もう彼奴は帰って来ねえよ。ユラだって分かってんだろ?」
瀬戸家を後にしてからアタシとヒビキはタクを探す為に色んな所を駆け回っていた。
あの後ヒラさんはホノを送り届けてすぐにアタシ達の元へと帰って来た。
何も伝えていない筈なのに、一緒にタクの捜索をしてくれた。
それから一週間、二週間……一か月、二か月、と時間は止まってくれない。
「……分かってる。でも分かりたくない」
遂にはあの日から半年の時間が流れた。
あの日から毎日スカイグレーの彼を探しに探しているが、只のJKのアタシには探すにも限度ってもんがある。
ヒビキは弥生組の力を使って探させると言ってくれたが、きっとそれは彼自身が望んでないのではないかというアタシの勝手な考え方の所為でヒビキは彼を探す事を止めた。
もしかしたら探しているのかもしれないけど、アタシの前で彼の話をする事が無くなった。
アタシに気を使ってくれているのかそうじゃないのか心中は分からないけど、この半年間彼を見る事は一回も無かった。
ふぅっと吐き出す息はあの頃とは違って真っ白い軌道を描く。
……それもそうだ。
あの日から季節は流れて今はもう11月下旬。
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