5本のバラ

第13話

《5本のバラ》


私と彼は1年連絡しなかった。

多分終わったんだな。

あの質問はしなきゃ良かったとは思った。

でも言ったからこそ吹っ切れた。

そう思うことにしよう。


あれから私は彼氏と続いてる。

今以上に愛は深まっている。

一輝に向けるはずだった愛情は全部彼氏に

最低なことをしてる自覚はある。

でも、一輝と出会えなかったらって

運命の人に出会えてなかった、こんな辛い気持ちも、嬉しい気持ちも、会えない寂しい気持ちも、全部全部分からなかった。


彼氏とは一線は超えてない。

1年以上付き合って、キスまでしかしてない。

彼氏とする時は多分一輝のことを思い出すだろう。

初めての人はずっと覚えてるし、1番記憶に残る。

彼氏と彼女、そんな感じの関係ではないって感じてしまう。多分あの子の埋め合わせだ。

そんな最低な気持ちで彼氏と付き合うのもなんかなと思っていた。でも彼は

『まりが誰を好きでも俺は好き』

なんてことを言ってくれた。


多分彼は気づいていたんだと思った。

あえて、黙っててくれて見逃してくれた。

そんな彼が今は大好き。

結婚できるって思った。

そんな先のことは何も分からない。

いつもどうりの日々を暮らしていこう。

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