付録1 キャラクター紹介

メインキャラクターズ

メインキャラクターズ

※書式はだいたいこんな感じ


* 名前 UCI登録名(なので姓,名の順。あとローマ字表記からは時々外れます) *

国籍 年齢(※物語開始時。時間経過により加算されます)(学歴) 登録種目(性別もここに含めます)

所属チーム(使用する自転車のメーカー)

競技スタイル:ペダリング/ヨコの変化/タテの変化/戦術、知性・精神面

バックボーン:(※「KAMIKAZE」時点での現在ではMTBは歴史が浅く、MTB一筋で育ったという選手はまだ少ないのです)

尊敬する選手:あえて知りたければ【用語解説>語り継がれるレジェンドたち】へどうぞ

来歴:

内面:


※年齢はいずれも本編開始時点。たぶんすぐに1歳年取ります。



* 坂本博幸 SAKAMOTO,Hiroyuki *

https://kakuyomu.jp/my/news/16818622170337922511

日本 16歳(高2) 男子クロスカントリー、デュアル※

キャノンノーズジャパン・チームレイヴン(キャノンノーズ)

競技スタイル:スプリンター・回転型/グリップ(変則、エクストリーマー傾向あり)/エアー(エクストリーマー傾向あり)/セルフ&エモーショナル

バックボーン:BMX

尊敬する選手:ジョン・トマック

来歴:

 ごく普通の家庭に生まれる。3歳の時、親の転勤で引っ越した新居の、おまけに付いていた子供用自転車を一目見て――我に返った時は、近所の公園で盛大に転んでいた。

 傷だらけになりながらもその日のうちに補助輪なしで自転車に乗れるようになり、以来自転車に取りつかれた人生を送る。

 技術の上達と共に自然と競技の場に身を置くようになり、小学校に上がるころにはBMXのレース、フリースタイルを問わず好成績を上げるようになった。

 同時に新しいものが大好きで、成長とともにその興味は新しい自転車のジャンル、MTBに向くようになる。体格的条件を満たすなりMTBレースに身を投じ、中学のころには「同世代に敵なし」との評価を確立する。

 そして高校2年のシーズン開始と同時に念願のプロ契約を結び、さらに特例でエリート(成年最上位)クラスへの昇格を果たした。

 BMXの競技経験を活かした、常識にとらわれないライン取り、走りでライバルたちを抜き去り突き放すのが勝ちパターン。その卓越した速さは「カラスが襲いかかってくるようだ」と言われ、”レイヴン”の異名を早くも頂戴している。

 本人はダウンヒルへの興味も強いが、アマチュア時代はなにしろ資金面のハードルが高かった。チームも危険度が年々上昇し続けるダウンヒルへのエントリーにいい顔をせず、粘り強い交渉の結果なんとか参戦の許可は取りつけたものの、本格的なサポートは得られていない。競技経験の浅さもあって、こちらではエキスパート(アマチュア上位)にとどまっている。

 一方でチーム側は、デュアルへのエントリーを強く要請している。しかしこちらは本人が「マシンにもコースにも見るべきところがない」と興味を示さず、出場すれば好成績を上げるものの、なにかと理由を付けては欠場することが多く、トータルの成績は安定していない。


 本編は基本的に、博幸の視点から描かれる。

内面:

 明るくて多弁、感情をストレートに出す振る舞いから交友関係が広そうな印象を受けるが、実は意外と孤独を苦にしない性格。実際に学校では「あいつチャリのことばっかり」と浮き気味である。本人はわずらわしい人間関係に振り回されるより、大自然のもと自転車との”会話”に没頭していたい。本音を言えば「もうガッコ行ってる意味を見出せない」と、ここが本人悩むところである。

 そして悩みがもうひとつ。他でもない自転車のことで、「とにかく自転車にタノシク乗っていたい」と言う本音と、ステップアップするごとに楽しみでは済まされず、シビアに「結果」を求められるようになって行く自らの立場とのギャップである。正直「他人と競うことにさほど興味を持てない」自らの思いの核心を、そろそろ自覚し始めている。これを周囲に明かしても、最も親しい瀬藤加奈と本条悟にさえ理解してもらえないのが、悩みをさらに深めている。

 親しい人との人間関係も、だいたい自転車が頼みの段階にとどまる。本人は雛形輪に対して露骨な好意をあらわしているが、本気の恋愛感情なのかどうかははなはだあやしい。幼なじみの瀬藤加奈に対しては「いい加減うざったい」と表に出しているものの、それでも腐れ縁を続けているあたり、自らのほんとうの思いに無自覚であるような。


* 雛形輪 HINAGATA,Rinn *

https://kakuyomu.jp/my/news/16818622170337970199

日本 16歳(高2) 女子クロスカントリー

ビッグフットインターナショナルジュニア・エキップパベ(ビックフット)

競技スタイル:クライマー/グリップ/グラウンド/セルフ

バックボーン:ロードレース

尊敬する選手:ネッド・オーバーエンド

来歴:

 内陸部の山村に生まれる。一歩外に出れば登りか下りしかない道。整備の行き届かない路面。風に雨、冬は雪に氷。およそ自転車に乗るには不向きな条件がそろった環境において、3歳の時、どういうわけか子供用自転車で村一番の山に挑み、ボロボロになりながらも登り切り、頂上から里の光を見下ろしたのが、彼女の原体験である。

 以来周囲に自転車に乗る者は一人もいない中、彼女だけは自転車に乗り続け、見えない何かと戦うように山に挑む人生を送ってきた。

 成長とともにその瞳は自然と競技に向かうようになり、ジュニアロードレースの世界で頭角を現すようになった。整備された道路での同世代の選手との戦いに物足りなさを感じ始めたころ、MTBチームからの契約を打診され、「もっと厳しい環境で戦えるなら」と即決。女子の選手層の薄さとロードでの実績を評価され、はじめからエリート(最上位)クラスでのエントリーとなった。

 その経験に裏打ちされている通り、登り坂で無類の強さを発揮する。また少女時代の積み重ねから、荒れた路面、風、雨、泥、雪、氷と、条件が悪くなればなるほど力を発揮する、天性の抵抗者<レジスタンス>。ライバルが何しようと意に介さず、ひたすら全開アタックを続けるのが勝ちパターン。ぶっちぎりのトップに立ってもなお手を緩めない走りっぷりから、”限界なき女LIMITL/RESS”の異名で呼ばれている。

 荒れても悪天候でもない、まっ平らな路面ではどうにもやる気が出ないのが、現状の課題である。

内面:

「自転車で、それも坂では誰よりも速くなること」。それが彼女の行動原理のほぼ全てである。ゆえに私生活ではひとことで言って「女を捨てている」。

 髪は短く刈りこみ、肌は陽に焼けて風雨にさらされるにまかせきり。持っている服で女らしいのは学校の制服くらい。どころか隙あらばサイクルジャージにレーパン姿のまま練り歩く始末である。いっそ常在戦場と形容すべきか。

 明るく遠慮なく話せる性格で周囲の人気は高いが、さて恋愛対象として見なせるかと問われると、モテない選手諸君の間でも「いい子なんだけど、中身はオトコなんだよな」という評判である。

 幼なじみの川室陸が自らに寄せる感情にはすでに気づいており、輪の方も少なからず好意を持っているものの、「競技に専念するため」と自分の感情を封印している。


* 堀井武士 HOLII,Takeshi *

https://kakuyomu.jp/my/news/16818622170338035874

日本 16歳(定時制2) 男子ダウンヒル

個人参加(スピード+ゲーム)

競技スタイル:スプリンター?・トルク型?/エクストリーマー/エクストリーマー/エモーショナル(自覚なしのフルボ?)

バックボーン:特になし(ママチャリ?)

尊敬する選手:柳原康弘

来歴:

 酒びたりの父と浮気の絶えない母の間に生まれる。荒涼たる家庭環境、経済的にも苦しい事情の中、成長とともにその性格は荒み、刹那的な快楽に身をまかせるようになっていった。

 スピードと、そして法を犯すスリルにあこがれて暴走族を目指すものの、なにしろ原付を買う余裕すらない実情で、満たされぬ心を自転車(ママチャリ)を壊れるほどのスピードで振り回すことで気を紛らわせていた。

 そんなある日、乏しい外の世界からの情報でMTBダウンヒル競技のことを知り、「俺がこの先目指すのはこれしかない」と一念発起。なんとか参戦資金を工面すべくバイトに精を出す日々の果て、中古市場に捨て値で転がっていた一台を発見。有り金はたいて即決し、念願の競技の世界にデビューした。

 その走りは命知らず……というか、まるっきり初心者。とにかく全開でペダルを踏みたがり、逆にブレーキを引くことを極端に嫌う。当然素人じみた転倒<クラッシュ>も多いが、ツボにハマるとどうにも理屈では説明できない速さを発揮する。とくにママチャリで爆走を重ねた経験からか、爆発的な加速力はトップレベルの選手をも凌駕すると言われる。今にも明後日<あさって>のほうにすっ飛んでいきそうなマシンを紙一重でコントロールするその姿は、見る者を例外なく恐怖に陥れながらも目が離せないオーラに満ちており、成績が伴うとともに”中毒者<ホリック>”の異名を確立しつつある。

内面:

 競技の場同様、私生活においても鬱屈したエネルギーを持て余し刹那的な行為で発散させる、要は不良少年。しぶしぶ定時制に通っているのも、「とりあえずガッコには行っておかんと、ろくでもないシゴトにすらつけん」と最低限の理性を働かせた結果である。ゆえに幼いころから警察のお世話になる羽目になることは日常であった。

 それが自転車という自己実現の場を得て、徐々に金銭的その他もろもろの支援の手も得られるようになり、打ち解けられる友人も得られたことで、荒んだ家庭環境の中で構成された荒れた性格は徐々に影を潜めつつある。しかし本人は、自分の中にあった「どうにも説明の付かないエネルギー」が薄れつつあることに不安を感じ始めているようでもある。

 学校についても、「レースがあるし、もう行く意味ねーかな」と薄々自覚し始めている。


* 阿部真理愛 AVE,Maria *

https://kakuyomu.jp/my/news/16818622170338084052

日本 16歳(高2) 女子ダウンヒル

チームゼロ(モトヒ)

競技スタイル:ビギナー/グリップ/グラウンド/エモーショナル

バックボーン:モーターバイク、ロードレース

尊敬する選手:ミハイル・シューマッハ

来歴:

 格式も経済力も超一流の家に生まれる。子だくさんの末っ子ということで、かなり自由に育てられたらしい。

 物心つく前よりありとあらゆる乗り物をコントロールする能力に無類の才能を発揮し、数ある競技の中から「少しでも早く始められる」という理由でモーターバイク(ロードレース)の道に進んだ。

 向かうところ敵なしの勢いでステップアップを続け、「日本始まって以来の才能」と将来を嘱望されるようになったが、成長とともに当の本人はあまりにも簡単に勝利を手にできること、とくに「自分の存在が周りのやる気をなくさせてしまう」ことに内心欲求不満をつのらせるようになった。

 そんな折、モーターバイクメーカー・モトヒが自転車競技、MTBダウンヒルへの参戦を発表。その選手の一人として、真理愛に白羽の矢を立てた。本人も未知の競技、とりわけ「ペダルをこがなければ進まない」自転車の世界に強い興味をひかれ、モーターバイク界の人々の反対、嘆きの声もどこ吹く風とMTBダウンヒルへ転向。女子の選手層の薄さと競技経験を評価され、はじめからエリート(最上位)クラスでのエントリーとなった。

「どう見ても速く走っているように見えない」「時間が止まっているようだ」などと評されるウルトラスムースなライディングはMTBに乗り換えても健在。どんな難しいシチュエーションでも、まるで何事もなかったかのようにクリアしていく。モトヒのマシンの優位もあり、参戦初年度にして早くもチャンピオン最右翼候補の評価を得ている。”重力の天使グラヴィティ・エンジェル”の異名はここでも健在である。

 本人はデュアルにも少なからぬ関心を示しているが、「ダウンヒル専門」のチーム(メーカー)体制のため実現できないでいる。

 極端な自転車競技経験の浅さからくるペダリング能力の欠如が唯一にして最大の欠点だが、「それも時とともに克服するだろう」とのもっぱらの噂である。

内面:

「なんでこんな子がレースなんてやってるんだ?」とモーターバイク時代から言われている通り、レースの場を離れれば絵に描いたようなお嬢様。

 モテない男社会である自転車競技界に突如舞い降りた正統派美少女で、物腰も優雅であこがれる男子諸君は数多いが、育ちから来る天然な性格がいかなるアプローチをもナチュラルに受け流す。

「教えたことはなんでも、砂に水がしみこむように吸収していく」「いや、教えなくても、勝手に色々身に着け成長していく」と周囲は褒めちぎるが、秀でた容貌もあり、これまでの人生でついぞ壁らしい壁に当たったことがないのが、本人欲求不満をつのらせるところである。「なんでもいいから、『目いっぱいがんばったけど、だめだった』という経験がしてみたい」というのが、ごく親しい人にしか漏らさない彼女の本音。

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