第19話

研究室を出て、母屋の台所で水を飲んでいると、男もやって来た。

「…俺にも一杯くれないか」

男はなぜか、私に対してはぞんざいな口調になる。私は何も言わず、コップに水を汲んで男の前に置いた。

「ありがとう」

男が仰け反らした首の、喉仏が動いて水を送り込むのを、私は黙って見ていた。

「…なぁ…」

一気に飲み終えた男が、空のコップを見つめたまま呟いた。

「…いいかげん、俺に対してそうあからさまに警戒するの、やめてくれないかな、秋姫」

私は動揺し、唇を噛んだ。

「別に…警戒している訳じゃありません。夢幻さんは、父のお客さんですから」

「京士郎でいい」

鋭く言われて、私はまた黙り込んだ。

男はポケットから星核を取り出した。

「ほら、星核もさ…君に怯えているぜ」

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