第14話

男の表情が曇った。この男にも、心の中に抱えている傷がある…そう思うと、男に対する不快感は少し薄らいだ。

食事の後で、おシゲさんが温かい紅茶を入れてくれた。それを飲みながら、父と男の話題は、やはり『星核』に戻っていた。

男は星核のあちこちを箸の先で示しながら、熱っぽく説明していく。男の隣から、春姫が好奇心を剥き出しにして星核を覗き込んでいた。

「…ここと、この茶色の部分は、後で付着した地上の鉱物だと僕は思うのですが…」

「そうだな。こっちも明らかに砂岩の一種だ」

「まずは星核の本体部分を見極め、他の混入物を完全に取り除くべきですね…」

3人は魅入られたように、その小さな鉱物を凝視していた。

その間、私は…この奇妙な侵入者の横顔を見ていた…。

 

この日、嵐は夜半まで吹き荒れ、庭の桜を一花残らず散らした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る