Contamination
第10話
私は、呆れて次々と重ねられていく食器を見ていた。
(…さっきの遠慮はなんだったのよ…)
男は、久々に食事にありついた貧乏学生、という形容が最も適切だった。
私は不愉快だった。春姫の為のご馳走が、こんな得体の知れない男に食い荒らされていく。しかも、父はますます機嫌良く、お代りを勧め続けている。
「…さぁ、春姫お嬢さま、こちらですよ」
食堂の外からおシゲさんの声が近付いてくる。そして、まだ眠そうな春姫が眼をこすりながら、おシゲさんに手を引かれて食堂に入ってきた。
「…あ…」
春姫は食堂の中央に見知らぬ男が座っているのを見て、素早くおシゲさんのエプロンの陰に隠れた。
男は箸を置き、春姫の方を見た。春姫も怯えた顔で男をじっと見つめた。
「…やぁ、こんにちは」
男は春姫に、優しい微笑を投げかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます