第8話

「僕、古代の遺跡を訪ねるのが趣味なんです。それで、××島に、悪魔の王が氷漬けになっているという伝説のある洞窟があると聞いたので。この石はその洞窟の奥で拾ったんです」

「奥に?」

「はい、周囲を探しましたが、他には見当たりませんでした」

「ふぅむ…誰かが持ち込んだものか…いずれにせよ、このような隕石は見たことがない。時間をかけて分析してみたいものだ」

「ええ、僕はそれをお願いしに来たのです。僕はそれを『星核』と名付けました。是非、僕に星核の研究を手伝わせて下さい!」

父と男は、お互いの身を乗り出すようにして熱っぽく語り合っていた。…と、その気迫が最高潮に達した時、いきなり場の緊張感を削ぐようなとぼけた音が鳴り響いた。

「…今のは?」

周囲を見回す父に、男が恥ずかしそうに言った。

「…すみません…僕の腹の音です…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る