第45話
続く10月26日の第4戦も、3-1で負け。
何とか札幌で1勝を取ってリーチをかけたいカープでしたが、第5戦の10月27日も5-1で負けてしまい、逆にファイターズにリーチをかけられてしまいました。
ここまで踏ん張ってきていたピッチャー陣に疲労が見え始め、あれほど圧倒的なパワーを見せつけていた打線もチャンスを活かせなくなっていて。
それでも広島に、マツダスタジアムに戻ってくれば、あの真っ赤なファンの応援を浴びれば、きっと元の強いカープに戻ってくれると信じて。
ここで1勝を取り戻せば、3勝同士で最後の第7戦にもつれ込むことができるはずだと。
その第7戦はきっと、黒田博樹と大谷翔平の投げ合いというプロ野球ファンにとって見ごたえのある最高のゲームになるはずだと。
我々はまだ黒田博樹の投げる姿を見られるはずだ、いや、見たいんだと――
そう願って、固唾を飲んで見守った10月29日、第6戦。
4-10で、カープは負けてしまいました。
マツダスタジアムのグラウンドで、ファイターズの栗山監督の胴上げが行われます。
その様子を、1塁側ベンチから、鈴木誠也や西川龍馬といった若いカープの選手達が悔しそうに見つめていました。
そう、悔しいのです。
満員のマツダスタジアムの真っ赤なファン達も、悔しいのです。
でも、私達は知っています。
2015年の最終戦、勝てばCSに出られるという局面で打たれ、敗戦の責任を負った大瀬良くんの涙を。
2014年のCSファイナルステージ、満塁のチャンスで打席に立ったにもかかわらずヒットを打てずに負けてしまったときの誠也の悔しそうな顔を。
カープは、悔しさをバネにして一歩ずつ一歩ずつ上ってきたチームです。
だから、カープの未来を担う若い選手達にとって、この敗戦はきっとマイナスじゃない。
そりゃあ、ファンだって悔しいけど。悔しいけど、のぅ。
優勝まで25年も待ったんじゃけ、日本一ぐらいもうちょっと待ったるわぃ。
ワシらカープファンは、気が長いんじゃけぇのぉ――。
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