第13話

④菊池涼介(きくちりょうすけ)【内野手】背番号33(26歳)


 「キクマルコンビ」の背が小っちゃいほう。

 サルで野生児で破天荒な、イナズマ追い越してメーター振り切りスタジアム中を縦横無尽に駆け抜ける韋駄天野郎。


 キクの魅力は何と言ってもその華麗な守備。

 13年に「シーズン補殺数」という守備の日本新記録を58年ぶりに塗り替え、その後も更新中。多くの人々が「菊池の守備を見るためだけでも球場に行く価値がある」と口を揃えるほど。

 14年の日米野球でもファインプレーを連発してメジャーの選手を驚かせ、アメリカのニュースサイトで絶賛されました。

 もちろん打撃でも大活躍。ヒットでもホームランでも送りバントでも任せとけぃ!


 そんな素晴らしい運動神経の持ち主ですが、実は子供の頃はぜんそくを患っていたそうです。

 東京生まれですが、高校は長野県塩尻市にある武蔵工業大学第二高校(現東京都市大学塩尻高校)の野球部で毎日汗を流していたら、いつの間にかぜんそくも治っていたそう。

 その後、岐阜の中京学院大学に進学。

 家庭の事情もあって、パチンコ屋でアルバイトをしながら野球を続けていたら、いつの間にか足も速くなっていたそうですwww

 大学時代はピッチャーも経験しており、8回までショートを守って、9回になったらマウンドに上がってクローザーを務めていたとか。

 しかし、高校も大学もさほど強豪校ではなかったためか、技術を学ぶには不充分な環境だったようで、カープ入団当時は守備も下手でした。

 「こいつ、野球の基礎を全然知らないな」と呆れた監督が基本的な技術をひとつ教えてやると、翌日にはできるようになっている。そこでまた次の技術を教えてやると、それも翌日には完璧に仕上げてくる…といった感じで、そのスポンジ並みの驚異の吸収力で周囲を驚かせたそうです。


 ちなみに普段のキクは陽気で人懐っこくイタズラが大好き。ベンチを明るく盛り上げるムードメーカー。ヤクルトスワローズのマスコット「つば九郎」とは無二の親友。

 偏食がひどく、野菜と魚がダメ。好物はホイップクリームとかチョコとかの甘いもの。

 あまりの偏食ぶりに、カープ女子の間では「さっさと結婚してお嫁さんに食事管理してもらいたい」と心配されているとか、いないとか…?


***



⑤丸佳浩(まるよしひろ)【外野手】背番号9(26歳)


 「キクマルコンビ」の顔がでっかいほう。

 五月人形のような凛々しい顔立ちの美青年なのに、残念なことに、めっちゃ顔がでかい。別名「遠近感クラッシャー」(;´∀`)

 千葉県の散髪屋さんの息子さん。「丸」という珍しい名字は、源頼朝を支えた有名な領主の末裔だそう。


 ちなみに既婚者で子持ち。中学生の頃から同級生と交際し、甲子園に出場を果たし、そのまま結婚したという、まるであだち充の漫画の主人公のようなヤツ。


 打って良し、走って良し、選球眼(投げられた球がストライクかボールかを瞬時に見分ける能力)良し、という頼もしい選手。

 ヒットでもフォアボールでも、とにかく塁に出る。

 特に、2番バッターの菊池に続く3番バッターであることが多いため、菊池が打つと丸も打つ。

 そして塁に出たら、俊足のキクマルコンビが走りまくって相手チームのペースを乱し、試合の流れをカープに引き寄せる(相手チームにとって)怖い存在。


 もちろん守備だって◎(二重丸)。外野の中央の広大なエリアを駆け回り、どんなに難しい球にも追いついてしまうのです。


 趣味は音楽鑑賞で、クラシック音楽が好き。

 マツダスタジアムでの自身の登場BGMを大好きなチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲ニ長調』にしていたのに、前監督に無理やり中森明菜の『デザイア』に代えられたという逸話を持っています(;´∀`)


 ちなみに、丸が素晴らしい活躍をするとネット上に『○△□×』という謎の記号が飛び交います。その意味は?


 まる・さんかっけい・しかく・なし……


『丸さんカッケー、死角無し!』

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