第5話

「ま、まま繭ちゃんなら、とと隣の部屋で挿絵をかか描いてるんじゃないかなっ?」

「声が裏返ってるよ、みっちゃん…」

「そそそんなことないさぁ!あははは!」

みっちゃん…繭ちゃんに惚れてるの皆にバレバレなんだけどなぁ…誰にも気付かれてないと思ってるあたり、純朴な男よねぇ…。

「まゆ…」

私はぽつりと呟いた。

「えっ!ままま、繭がどうしたっ?」

「…剃りの上手な美容院の特集ってどうかしら?来月号の企画♪」

「あ、ああ…眉剃りね、はは…」

みっちゃんはびっしょり汗をかいていた。

「まぁ…ゆぅ…」

「な、ななな、何っ?」

「…ゆぅ便屋さんが来たみたい~♪」

口から泡をふいているみっちゃんを残し、私はスキップしながら玄関に向かった。

いやー、彼を構うのは楽しいわ♪

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