第10話 殺し屋

 原生林の夜は、昼間の喧騒が嘘のように静まり返っていた。赤坂、影沼、島野の三人は、デスノートを手に、慎重に歩を進めていた。

「…まだ、安心はできない」

 赤坂が、周囲を警戒しながら呟いた。

「ああ。大野と五十嵐以外にも、まだ生き残りがいるかもしれない」

 島野が、銃を構えながら言った。

 その時、三人は、背後から気配を感じた。

「…!」

 三人は、身を翻し、警戒態勢を取った。

 現れたのは、フードを深く被った、黒ずくめの人物だった。

「…誰だ?」

 赤坂が、低い声で尋ねた。

 フードの人物は、何も答えず、三人に近づいてきた。

 その時、フードの人物は、フードを取り、姿を現した。それは、冷たい眼差しを放つ、若い女性だった。

「…殺し屋か」

 島野が、呟いた。

 女性は、何も答えず、ナイフを取り出し、赤坂たちに襲い掛かった。

 三人は、女性の攻撃をかわしながら、反撃を試みた。しかし、女性の動きは、あまりにも速く、正確だった。

「…まずい!」

 影沼が、叫んだ。

 女性のナイフが、赤坂の頬をかすめた。

 赤坂は、咄嗟にナイフを抜き、女性の攻撃を受け止めた。

 二人は、激しいナイフ戦を繰り広げた。女性の動きは、まるで踊っているかのように美しく、そして、残酷だった。

 島野は、銃を構え、女性を狙った。しかし、女性の動きは、あまりにも速く、銃で捉えることができなかった。

 影沼は、弓矢を構え、女性を狙った。しかし、女性は、矢をかわし、影沼に近づいた。

「…!」

 影沼は、咄嗟に弓矢を盾にした。しかし、女性のナイフが、弓矢を切り裂き、影沼の腕をかすめた。

 影沼は、悲鳴を上げ、倒れた。

「影沼!」

 赤坂が、叫んだ。

 その隙に、女性は、赤坂にナイフを突き刺そうとした。

 しかし、その時、島野が、女性に向けて発砲した。

 銃弾は、女性の肩をかすめ、女性は、動きを止めた。

「…くっ」

 女性は、舌打ちをし、後ずさった。

「…お前たち、一体何者だ?」

 赤坂が、尋ねた。

 女性は、何も答えず、暗闇の中に消えていった。

「…追うか?」

 島野が、尋ねた。

「いや、今は、デスノートを優先しよう」

 赤坂が、答えた。

 三人は、デスノートを手に、再び歩き始めた。しかし、彼らの表情は、先ほどよりもさらに険しくなっていた。

 原生林の夜は、まだ終わらない。

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