第9話 武器庫
洞窟の奥深く、二人は息を潜めていた。落とし穴の罠を解除したものの、大野と五十嵐が迫っている気配が、冷たい空気を震わせていた。
「…来るぞ」
赤坂が、低い声で呟いた。
「武器庫…」
影沼が、洞窟の壁に刻まれた記号を指差した。
「ああ、罠の解除と同時に、武器庫への道が開かれたようだ」
赤坂は、記号が示す方向へと歩を進めた。
洞窟の奥には、隠し扉があった。二人は、慎重に扉を開けた。
そこは、薄暗い空間だった。壁には、様々な武器が整然と並べられていた。ナイフ、弓矢、ロープ、 そして、見たこともないような特殊な武器まで。
「…これなら、戦える」
影沼が、弓矢を手に取り、呟いた。
「だが、油断は禁物だ。奴らは、デスノートを持っている」
赤坂は、二本のナイフを手に取り、言った。
「…分かってる」
影沼は、弓矢を構え、覚悟を決めた。
その時、洞窟の入り口から、足音が聞こえてきた。
「来た…!」
赤坂は、影沼に合図を送り、物陰に身を隠した。
大野と五十嵐が、洞窟の中に入ってきた。二人は、周囲を警戒しながら、奥へと進んでいく。
「…いないな。まさか、逃げたのか?」
大野が、苛立ちを隠せない様子で呟いた。
「いや、まだ近くにいるはずだ」
五十嵐が、冷たい笑みを浮かべた。
二人は、武器庫へと続く隠し扉の前で、足を止めた。
「…ここだ」
五十嵐が、呟いた。
大野は、デスノートを手に取り、扉に近づいた。
その時、赤坂と影沼が、物陰から飛び出した。
「そこまでだ!」
赤坂が、叫んだ。
大野は、驚き、デスノートを構えた。五十嵐は、冷たい笑みを浮かべ、赤坂たちを見据えた。
「…邪魔をするな」
大野が、低い声で言った。
「お前たちの野望は、ここで終わる」
赤坂が、言い返した。
二組は、激しい攻防を繰り広げた。赤坂と影沼は、武器庫で手に入れた武器を駆使し、大野と五十嵐に立ち向かった。
しかし、デスノートの力は、想像以上に強力だった。大野は、デスノートに赤坂たちの名前を書き込もうとした。
その時、影沼が、弓矢を放った。矢は、大野の手をかすめ、デスノートを弾き飛ばした。
デスノートは、地面に落ち、開かれたままになった。
赤坂は、その隙を見逃さなかった。彼は、大野に飛びかかり、ナイフを突きつけた。
「…終わりだ」
赤坂が、呟いた。
大野は、観念したように、膝をついた。
五十嵐は、冷たい笑みを浮かべたまま、赤坂たちを見つめていた。
「…まだ、終わっていない」
五十嵐が、呟いた。
彼は、懐から、もう一冊のデスノートを取り出した。
「…!」
赤坂と影沼は、驚愕の表情を浮かべた。
五十嵐は、デスノートに赤坂たちの名前を書き込もうとした。
その時、洞窟の入り口から、何者かが飛び込んできた。
それは、島野だった。彼は、銃を構え、五十嵐に向けていた。
「…そこまでだ」
島野が、低い声で言った。
五十嵐は、驚き、銃口を島野に向けた。
二人は、激しい銃撃戦を繰り広げた。
その隙に、赤坂は、五十嵐に飛びかかり、デスノートを奪い取った。
「…終わりだ」
赤坂が、呟いた。
五十嵐は、観念したように、膝をついた。
島野は、銃を下ろし、赤坂たちに近づいた。
「…終わったのか?」
影沼が、尋ねた。
「ああ、終わった」
赤坂が、頷いた。
三人は、デスノートを手に、洞窟を後にした。
原生林の奥深く、夜空には、満天の星が輝いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます