第12話
イズサの元に戻るとさっきよりも野次馬が増えていた。
「本当に申し訳ございません。」
「申し訳ございません…。」
「ここのホテルは一体どういう環境で料理を作っているんだ!?
もしこの料理を私が食べてたらこんな騒ぎじゃ済まされなかったぞ!
死んでたかもしれないんだぞ!」
長々と嫌味を言うお客様。
私は自分の中で何かがプツンと切れたかのような感覚に陥ったと共に怒りがふつふつと湧き上がってきた。
「失礼ですがその異物が入っていたという料理を見せてもらってもよろしいでしょうか?」
私が割り込むと自慢げにこれだと渡してきた。
「これは食べると死んでしまうという毒虫の幼虫だろ!?」
こんなものを出されるとはと盛大に被害者ぶるお客様。
私は毒虫の幼虫だと言い張る物体をスプーンですくってみた。
まじまじとよく見ていると私はおかしくなってきて大きな声で笑ってしまった。
わかったよカヤこれは私しかできないね。
「いきなり笑うとはなんだね君は!?そんなに殺したいのか!!!!」
笑った事によりお客様の怒りがピークを超えた。
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