第6話

『コンコン』

「はちみつ草の葉をお持ちいたしました。」

「あら。ありがとう。ちょっと来なさい。」


103号室のお客様に言われ私は奥まで入っていった。


「失礼します。」


奥に入っていくとテーブルの上にいろんな薬草やハーブ、木の実が置いてあった。

荷物整理かな?そう思いながらいると


「疲労回復のハーブティーを調合したいんだけどド忘れしちゃってねぇ。」


ため息をつきながら言うお客様に私は持ってきたばかりのはちみつ草と、テーブルの上に置いてある薬草類の中から何種類か葉や木の実を選んでこれで出来ますよと渡した。


「あんた作り方わかるのかい!?」

「私、箒も魔術もダメでしたが薬草学だけは得意だったんです。」


そうだったのかいと言いながらお客様は呪文を唱えながらティーポットに渡した薬草や木の実を入れ、お湯を注ぎ揺らしながら二分待ってティーカップ二つに注いだ。


「あんたが教えてくれたんだ。あんたも飲んでいきな。」


お客様は私にティーカップを渡してきた。


「ありがとうございます。いただきますね!」


私はティーカップに口をつけた。

はちみつ草の甘みが口全体に広がっていく。


「美味しいですね。」

「そりゃそうさ。わたしゃが作ったんだからまずいはずがないでしょうが。」


と、お客様も飲んでうん。上出来だとご満悦のようだった。

飲み終わると私はご馳走さまでした。また何かありましたら言ってくださいねと言って部屋を出た。

美味しかったな〜。私はルンルン気分でロビーに戻っていった。

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