第24話

久しぶりなのに冷たいなーと笑いながら言う空野。相変わらず笑顔の絶えない男だ。

僕はそう思いながら疲れた心に余裕が生まれた気がした。


「どうだ?新しい部署は」


空野にそう聞かれて僕は最悪だよと苦笑いで答える。

だろうな。顔が死んでるぞと空野に言われた。


「じゃ、これから会議だから…」


僕はそう言うと空野にまたなと言いその場を離れた。


「負けるなよー!!」


空野の言葉が心に染みた。


「もちろん」


僕は手を振って会議室に入っていった。

会議は思っていた以上に悲惨なものだった。

皆なれてないのかなかなか進まず容量も悪く時間ばかりが無駄に過ぎていく。

ここでも予算の割り振りのことで文句を言ってくる。

確か今日の会議は試作品の発表のはずだ。

なのにそれすらまだできてないと言われ僕は聞く側のはずが 

進める側になっていた。


そしてお昼になり今日はこの辺で、ということになって会議は終わった。

多分僕の予想だとこの企画は企画倒れするんじゃないか。

そう思ってならなかった。


さっきの会議で部長もイライラしている。

会議では何も言わなかったがきっと不満ばかりだろう。


「はぁ~…」


僕はため息をついた。でも仕事は待ってくれない。手を動かさないと当たり前だけど仕事が減っていかない。

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