第4話 女と男
楽に生きるなら女、夢を追いかけるなら男。
という考えがりんかの中ではあった。
実際のところどうなのかは誰にも分からないのかも知れないがこれに共感する人は多いだろう。ただこれを聞いて共感はしても認めたくない人や胸糞が悪くなる人もいる事だろう
。りんかも最初はその一人だったが割と直ぐにそれを受け入れていた。
りんかは楽に生きたところで生きる意味を感じられなければ楽も退屈になり次第に苦痛になると考えていた。
つまりどちらかといえばりんかは夢を追いかける方を選んだのだけれど先ほどの言葉を
踏まえて、りんかは女に産まれた事が自分の描く人生に邪魔な点だと感じていた。
だからといってりんかは今流行りのジェンダーレスにもなりたくなかった。
それはりんかの中で中途半端者でアイデンティティが無いものが無理矢理作ろうとして自称している人が殆どだと思っていたからだった。
実際にどうなのかは置いておいてそれはりんかの美学だった。
りんかはその様な話題をよく親友に話していた。「女ってさ、結婚して子供産んでずっと家に籠もって人生楽しいのかな」なんて傍から聞けば大分思想が強く聞こえるが少なくともりんかにとっては純粋な疑問であり単なる捻くれではなかった。
親友は「いやーまぁ女脳と男脳の問題でしょそれは。私はばりばり女脳だから早く結婚して子供産みたいけど」と言われりんかは言い返せなかった。
りんかの親友はさばさばしている性格に映るかもしれないが元々の性格がというか
りんかとほぼ毎日電話で話すうちにりんかの
漠然とした話をあしらう為に作られた一時的な性格だった。
りんかがこの受け入れがたい言葉を受け入れられているのは自分が女ということを強く意識しないで生きることと、逆もまた然りと考えていたからだ。
りんかにはその考えはとても理解出来ないが
夢を持って生きるよりも楽になにも考えずに生きたい人もいるのだということだった。
実際、その親友が、りんかの2択の質問に楽に生きたいとはっきり選んだからだ。
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